雪月

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概要

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2020年。
政府の財政は逼迫し、ついに政府は赤線地帯復活に踏み切った。
吉原の花街は復活し、多数の廓が軒を連ねる。

その中に、隠れるようにひっそりと佇む
一軒の廓があった。
“月
宮” ―――質素ではあるが趣のあるその廓は
珍しい会員制の高級妓楼で、
その存在を知るものは多くない。

なぞの多い月
宮は、
陰舞たちはもちろんのこと、主人も名を明かしておらず
また不思議なことに
彼らは5年たっても、10年たっても
その美貌は衰えないと
実しやかに語られていた。

その噂は1歩踏み入れた途端、変わる
絡みつくような廓内の空気のせいかもしれない。

しかしその噂は真だった。
少なくとも陰舞たちは、たった10年では老いたりはしない。
彼らは人外のものだった。
管狐。
彼らの存在に名をつけるなら、あてはまる言葉はそれだろう。