雪月華 |
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概要 :::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::::*::: 2020年。 政府の財政は逼迫し、ついに政府は赤線地帯復活に踏み切った。 吉原の花街は復活し、多数の廓が軒を連ねる。 その中に、隠れるようにひっそりと佇む 一軒の廓があった。 “月華宮” ―――質素ではあるが趣のあるその廓は 珍しい会員制の高級妓楼で、 その存在を知るものは多くない。 なぞの多い月華宮は、 陰舞たちはもちろんのこと、主人も名を明かしておらず また不思議なことに 彼らは5年たっても、10年たっても その美貌は衰えないと 実しやかに語られていた。 その噂は1歩踏み入れた途端、変わる 絡みつくような廓内の空気のせいかもしれない。 しかしその噂は真だった。 少なくとも陰舞たちは、たった10年では老いたりはしない。 彼らは人外のものだった。 管狐。 彼らの存在に名をつけるなら、あてはまる言葉はそれだろう。 |